大糸線のクモハユニ44000
  父親が北アルプスが好きで、夏になると糸魚川から大糸線経由で長野方面へ行くことがありました。当時はC56ばかりが気になっており、南小谷〜松本の電化区間を走るブルーの旧国には興味がわかなかったのですが、あるときぶどう色の先頭車を発見。何気なくシャッターを押したのがこの写真です。車番はクモハユニ44000 模型雑誌か何かで見た記憶のある、やたらと長い名前の車輌のトップナンバーだったので、何となく貴重な記録になるような気がしたのだと思います。
クモハユニ44は国電モハ42系の「三等郵便荷物合造車」で昭和9年にモハユニ44として5輌だけ製造された珍車です。昭和34年の称号規定改正時にクモハユニ44となりました。その後、横須賀線から身延線への転出に当たって低屋根への改造が施され、800番台になりましたが、その時大糸線に在籍していたモハユニ44003だけが改造を免れて、クモハユニ44000となったそうです。この車輌も昭和43年(1968年)に追加で部分的な低屋根改造が行われたので、この写真はおそらく原形を保っていた最後の姿だと思います。   1968 信濃森上






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