幻の新潟機関区
  新潟機関区は実在した機関区です。新潟操車場のはずれに新たに東新潟機関区が設置された1965年までは、現在の新幹線高架のあたりに、確かに新潟機関区はあったようです。何故、「幻」なのかというと、ほんの2年ほどの差でその姿を見ることができなかったからでした。
新潟機関区には1960年代の初頭まで、旅客列車用のC51、C57をはじめ、越後線用のC56、臨港線入替用のC12、96、86などたくさんの機関車が配置されていた記録があります。しかし、今ではその様子をうかがい知る手立ては皆無に近く、わずかに、タクト・ワン社が刊行する記録写真集に木造の3線機関庫や大型の給炭台・門型クレーンなどの写真が掲載されているに過ぎません。私にとって新潟機関区は身近にありながら僅かの時間の差で見ることのできなかったC51と同様、永遠の憧れと謎の時間の中にあります。
このコーナーの写真は、その新潟機関区に憩う96とC12で[潟]の区名札がその証です。構内に架線が見えるので、新潟電化の1962年以降に撮影されたものと推定できます。私が始めてカメラを持って新潟駅裏の車輌を撮影に出かけた1967年に、立ち入り許可を頂きにお邪魔した国鉄施設の職員の方から頂いたもので、私の鉄道写真の原点になっているものです。どなたかこの時代の新潟機関区の記録をお持ちでしたら、是非拝見させて下さい。あの幻の時間の扉を少しでも開け、憧れのC51に会ってみたいとずっと願っています。

59661[潟] 1962〜1965 新潟






69677[潟] 1962〜1965 新潟






49681[坂] 1962〜1965 新潟  何故か新潟にいる米坂線の名物機






C12202[潟] 1962〜1965 新潟  





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