米坂線(1)(伊佐領-羽前沼沢)1968.11.23
  米坂線は9600型蒸気機関車が旅客列車を牽引する数少ない路線で、鉄道雑誌にも紹介記事が掲載されている有名な撮影地でした。満々と水をたたえた荒川峡やサミット宇津峠の美しい風景の中を走る96の列車は、幹線を走るD51の長大貨物列車とは全く異なる魅力があり、鉄道の写真を撮っていた数年間の中で最も多く訪れたところです。
当時の記憶では、新潟−仙台のDC急行「あさひ」が唯一の優等列車で、一部のDC列車を除き他は旅客、貨物共にほとんどを坂町と米沢の96が牽いていました。稀に混合列車もあったようですが、私が遭遇した唯一のチャンスにはうまく撮影できずに残念な思いをしています。
米坂線の96は坂町区と米沢区では全く異なる装備をしていました。坂町の96はデフを装備しているものの比較的原型に近く美しい形態でしたが、米沢の96は独特の形をした郡山式終煙装置を装備しており、前照灯はシールドビーム、デフの大きさやテンダも様々でした。けして美しい96ではありませんでしたが、私にはあの愛嬌ある米沢型の96がたまらなく魅力的に思えます。
米坂線は新潟から近かったこともあり、1968年から1972年の間に5回撮影に行っていますが、何故か「96には冬と雪」というイメージが強く、冬場に好んで訪れました。古い機関車と美しい風景に私が最も思いを寄せたのが米坂線でした。


59632[米] 130レ 米坂線 小国 1968.11.23 夕暮のホームで96の牽く列車が交換します。






39672[坂] 162レ 伊佐領-羽前沼沢  1968.11.23 






59632[米] 123レ 伊佐領-羽前沼沢  1968.11.23 






79606[米] 163レ 伊佐領-羽前沼沢  1968.11.23 






49632[米] 164レ 伊佐領-羽前沼沢  1968.11.23 






59663[坂] 125レ 伊佐領-羽前沼沢  1968.11.23 






49649[米] 7165レ 伊佐領  1968.11.23 

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